安楽椅子探偵、再び (2000)
2000年5月12日。今をときめく人気アイドル 葉村ナオの写真集の撮影のため、撮影スタッフは高原のペンションに宿泊することになった。しかし、ワガママで高慢なナオの態度と言動に、撮影スタッフやペンション従業員たちは振り回されて不満が募っていく。 このペンションのあった土地は、戦前には下猪山村で謎の男により連続殺人が起こり、11人が殺害されたという呪われた場所だった。さらに大雨のため停電してしまった上に、町まで通じる道路が土砂崩れで塞がってしまい、ペンションは陸の孤島となりクローズドサークルと化してしまう。 その夜、ナオがコテージで撲殺されているのが発見され、ナオの手には『ナオのサインが書かれたトランプ』が握られていた。警察には連絡したものの、唯一の道路が塞がっているためやって来る目処は立たず、ペンションから脱出することもできない。そして翌朝、借金を抱えていた強面のペンション従業員である木島道明がまたしても刺殺死体で発見される。 カメラマン助手の笛木紀之は、撮影スタッフのうち唯一アリバイがなく、無実を訴えるが犯人として吊るし上げられてしまう。追い詰められた笛木は、「困ったときに使うと一度だけ助けてもらえる」という笛を吹き鳴らした。