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鬼太郎が見た玉砕~水木しげるの戦争~ (2008)

昭和46年冬、水木は「ゲゲゲの鬼太郎」などの執筆で忙しい中、無理やりに休暇をとって、赤道直 下のニューギニアを旅した。水木は、昭和18年21歳の時に召集され、ニューギニアのラバウルに 送られた。当時ニューギニアは連合軍に島の半分を占領され、日本軍の敗色は濃厚。水木二等兵は最 前線の小隊に配属され、過酷な戦場を生き抜いた。以来、26年ぶりに踏むニューギニアの大地だっ た。そして、これがそもそものきっかけだった・・・。昭和47年となり、日々「鬼太郎」の締め切り に追われる水木の周りで不可解な事件が起きる。行きもしないレストランからは請求書が届き、連れ 込み旅館で水 木の姿を見かけたと編集者には言われる始末。おまけに水木の行く先々には、夢か幻 か、南方の象徴である"ハイビスカス"の花が咲き誇っている・・・。やが て水木は「何者かに押される 形」で、自身の戦争体験を漫画に描き始めた・・・。昭和18年、丸山二等兵(=水木)は、ニューギ ニアのバイエンにいた。ここは米軍と対峙する日本軍の最前線基地。初年兵として陣地構築の為、椰 子の木を運 び、穴を掘り、食料調達に働かされる日々だった。要領の悪い丸山は鬼軍曹にビンタを 食らう毎日だった。敵襲に備える日々の中で、加山二等兵は、行軍の最中、敵の銃弾を浴びて倒れた 。丸山は彼の小指を切って遺骨代わりにした。入隊前からの戦友・赤崎は敵の機銃掃射にやられた・・ ・。そして、漫画は否応なく、戦友たち皆が玉砕したあの"聖ジョージ岬"へと進んでいく。総員が「 玉砕」への道に向かわざるを得なかった、あの理不尽な出来事へと・・・。