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里見八犬傳 (1959)

安房の国、滝田城の城主里見義実は、ある日腹臣の金碗大輔と二人で、猪狩りの途中、山中の大蛇ガ嶽で、巨木のような大蛇に呑まれようとしている小犬を哀れに思い、激しい戦いで大蛇を殺し子犬を救った。義実は子犬を八房と名付けて飼うことにした。それから二年、南総一帯を自分の物にしようとする奸悪な関東管領扇谷定正は部下の墓田権頭に、滝田城を攻めるよう命じた。ところが扇谷の大軍も、忠犬八房の大活躍に大将たちを噛み殺されさんざんな目に遭う。怒った定正は二年前大蛇ガ嶽で、義実らに殺された大蛇の娘である魔女白比丘に命じて八房を襲わせた。守りを固める滝田城に、突如雷光と共に大鷲が飛来して、義実の幼い姫を掠った。怒号する八房に向って大蛇が襲撃する。義実らが固唾を飲んで見守るうち、見事大蛇を退治した八房は、精魂つきて閃光と共に空中に四散し、その体中からまばゆい八つの光を放つ宝珠が飛び出した。「仁義礼智信忠孝俤の八個の珠より八犬士生まれ出ずべし。二十年後、里見の城に危難ありたる時、八犬士これを救うべし」義実らの耳に天上から不思議な声が聞えた。そして二十年後・・・。