パリの空よりも高く/ファンシー・ダンス (2007)
菊田一夫の名作「花咲く港」をモチーフにした、初春らしい明るく華やかなコメディ作品。 1887年、パリは2年後に迫った万国博覧会の話題で賑わっていた。1851年にロンドンのハイドパークで第1回が開催され、続いてパリ。1867年以来2度目の万国博覧会ということで、パリの人々は期待と興味で盛り上がっていた。 パリの場末のホテルに滞在する稀代のペテン師アルマンドとジョルジュは、これを餌に一儲けしようと虎視眈々とその機会を狙っていた。そんな時、ホテルに長逗留する気が弱く売れない建築家のエッフェルが夢見ている、世界一高い塔を作りたいという話に閃いた。これを口実に金を集め、持ち逃げしようと企んだのだ。 二人は、世界的な万国博覧会の会場に、世界一高い塔を建設するという夢のような話をぶち上げた。しかし、それは思わぬ方向に進んでいく。1867年には水晶宮を作り世界中の話題をさらっただけに、第2回の目玉にしてフランスの国威高揚にしようと、人々は動き出したのだ。二人のペテン師の意図が、純粋な人々の熱意に支えられ、思わぬ方向へと展開していく。 そして、春まだ浅い小雪の舞うサクレクールの丘の上で、見事に出来上がったエッフェル塔を眺める二人の姿があった……。 【ファンシー・ダンス】 ショーの華であるダンスの魅力にスポットを当て、バレエの名作をモチーフにしながら、夢を掴もうとする男たちの熱い思いを、瀬奈じゅんのソフィスティケイトで、ナイーブかつエネルギッシュなショーマンとしての魅力で追求するショー。ブロードウェイで活躍中のダレン・リー氏振付による場面が、ショーを華やかに彩る。